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2014年11月22日

No.1527 木村塾やってみよう会 11月度例会

11月17日、グランフロント北館7Fナレッジサロンにて第54回「木村塾やってみよう会」が開催された。
今年度のトリを飾る「我が人生(ビジョン)を語る」は「水道屋けんちゃん」こと近藤健太さん(28)。
開口一番「本日このような場を与えていただき感謝します」。
「でも、話を聞いたら僕を嫌いになるかもしれません」と前置きした上で語り始めた半生。
さわやかな笑顔からは想像もつかない凄絶なものだった。

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近藤さんは1986年、大阪生まれ。家族は両親と祖母に姉2人。末っ子長男として育った。
4歳から剣道を始め、小学校に入る頃には市の大会で優勝するほどの腕前に。
この経験が近藤さんに勝つ気概と自信を培う一方、人生の歯車を狂わせる原因になった。

中学2年のある日、近藤さんは職員室に呼び出される。
そこには頭から口元まで包帯で巻いた剣道部の先輩が座っていた。一抹の不吉な予感が走る。
予感は的中。犯人グループの主犯とみなされたのだ。
濡れ衣だった。しかし、思い当たる節がある。道場で練習して部活にあまり顔を出さないのに、
部活に来たら一番強く態度も大きい。生意気だとうとまれていた。
当事者たちは「健太は関係ない」と否定したが、学校や親は信じてくれなかった。

この事件を機に悪い友達と遊ぶようになった。煙草、けんか、盗み、シンナー・・・どんどんエスカレートしていった。
「高校ぐらいは出て」という親の悲願で進んだ高校。
今度は悪党グループの本当のリーダーになり、わずか2カ月で自主退学。
非行はさらに進んで、愚連隊、暴走族、覚せい剤にも手を出した。
「お前の目は腐っている」。お父さんからそう言われて勘当され、家を出た。

16歳の不良少年を雇う職場はない。年齢を偽って建築現場で働いた。
「技術があれば学歴は関係ない」と仕事だけは真面目にした。しかし、人間関係がうまくいかず2年半で辞めた。
2度目の職場は叔父さんが経営するカメラスタジオ。今度はその叔父さんに
「健太には才能がある、いずれ会社を継がせたい」 と言われたが、真意が分からず不信感が募って辞めた。

1年間の足場屋(鳶職)の仕事を経て、4番目に勤めたのは洋服屋。
「全く別の世界に行けば、変われるかもしれない」と飛び込んだ。
接客マナーや専門用語など、知らないことは人には聞かずに本を買って勉強した。

変わるきっかけを与えてくれたのは、16歳で出会って19歳で再会した女性、ありささん。
過去の全て告げて交際を申し込むと、全てを受け入れてくれた。
「人は、変われると思いました。過去に何をしてきたかよりも今これから何をするかで、
自分の人生も自分に対する人の感情も変えることができるのです」。

20歳の時には大病(C型肝炎)を患い、命の危機にさらされた。このことも生き方を変える契機になった。
「働けなくなった僕を案じて父が仕事を世話してくれたのです」。
それが現在につながる水道屋の仕事だ。

さらに強烈な気付きを与えてくれたのが、カメラマンの叔父さんだった。
叔父さんは近藤さんが職場を去って10年以上経った今年の5月、肺がんのため55歳で亡くなった。
その直前、叔父さんを見舞った近藤さんは、ベッドで酸素吸入器を付けて会話もままならない叔父さんを見て、
初めてその真意に気付いたという。
「叔父は僕の中に同じものを感じたのかもしれません。放っておいたらどうなるか分からない僕を
助けたかったんだと思うんです」。
会話はできなかったが、叔父さんはしっかりと近藤さんの目を見て頷いてくれた。

「人間は死んだらみんな骨になる。骨を見てから後悔しても遅い。親、兄弟、お世話になった方々には
生きている間に思いを伝え、出来れば恩返しもしたいと思う。これからはそんな風に生きていきたい」。
病気を克服した近藤さんは、22歳で水道工事の会社を新たに立ち上げ、仕事に邁進する。
私生活ではありささんと結婚、一男の父に。息子『幸之助』君は
「人の気持ちの分かる商売人になってほしい」と、松下幸之助にあやかって命名した。

「生きていく上で一番大切なことは人間関係。出会う人すべてに真摯に接すること。
裏表をつくらず、どこに行っても誰に対してもありのままの自分でいること」。
「今日の出会いが新たな始まりです。明日の出会いも、明後日の出会いも。そして過去の出会いで今の僕があります」。
最後は、関わった全ての人たちへの感謝の言葉で締めた。

ドラマのような壮絶な半生。会場では目頭をハンカチで押さえる人たちの姿があった。
私も14歳で社会に出て工事現場で働いたが、近藤さんは全く違った困難を重ねてきた。
隠しておきたいはずの過去を、こんなに素直にありのままに語ることができるのは、真の強さ、素直さ。
宝物を磨いてきたからだ。近藤さんを支援したいと思うのは私だけではないだろう。
だれにでも宝物がある。大事に磨いていただきたいと思う。

会場は鳴りやまぬ拍手に包まれた。

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☆いただいたアンケートより抜粋

・ まるでドラマか小説を見ているようで感動の極致です。みんな宝を持っている! みんな大きな財産を持っている! 近藤さんの成功人生にカンパイ!!
・ これほどの感動、めったにありません! 過去の負が大きかったからこそ、それを跳ね返し、現在輝いていることの凄さを思い知りました。そして未来の大きさを確信しました。
・ 過去のことがあるから今の自分がある。今から、これから先は変えることができる。ありのままの自分、素直心を大切に生きていく!
・ 人は変われる、変えられる。逆境が人生を変える。笑顔の裏には必ず苦労があると思った。自分の宝を見つけたくなりました。自分なりに人生の棚卸しをしたくなりました。
・ 気付きの深い人生だと思います。気付きの深い分、意識の高さがあり、人間の幅、器が大きくなっていると思います。
・ こんなにも素直に自分を表現できる人は本当に強い人だと思います。何が何でもという必死さ、行動力、まさに「やったことしか残らん」。
・ 近藤さんに出会った人は皆、近藤さんを信じ、力になって揚げたい気持ちになるでしょう。
・ 近藤君の思いの大きさ、人間の大きさを感じています。今回の語りを聞いて貴兄を嫌う人はいないと思います。コミュニケーションの重要さを大切だと思える人生を生きてこられたことにすばらしさを感じます。
・ 自分よりも若い人とは全然感じさせない人の厚みがすばらしい! 自分自身で人生を切り拓く力を感じ勇気をもらいました。
・ 赤裸々な報告にその辛さを知り、よく頑張ってこられたと感動しました。笑顔作りのお話ひとつとっても努力される方だと思います。これだけ前向きに生きていかれる今、これから先が楽しみです。
・ すっかり感動してしまいました。私は中国人ですが、中国語に訳して自分にも中国の若者にも勇気を与えていきたいです。
・ 心が開放されたすばらしい話でした。いいメンバーが参加されていると思います。参加してよかった。
・ 「過去に何をしたかではなくて、これから何をするかが大切」。とてもいい言葉です。私も人を見る時は現在と未来を見ます。その考え方を実践され前に進んで行くのを実感しました。



 

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