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2016年08月05日

No.1732 木村塾やってみよう会7月度例会A

7月26日、大阪市北区の手品家・梅田店にて第90回「木村塾やってみよう会」が開催された。
今回の「わが人生を語る」発表者は、有限会社エム・カンパニー常務取締役、白川尚範さん。
同社は大阪南港を物流拠点として畜肉商品に特化した「畜産物流」で急伸する。
7月のBS経営セミナーでゲストとしてご登壇いただいた松木克浩さんの会社だ。
白川さんは松木社長と理念とビジョンを共有し、ビジョン実現のための戦略を考えて実行する。

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大阪生まれの在日コリアン。幼少期は「つらい思い出しかない」という。
虚弱体質で八尾市の生家は「貧乏、ボロボロの長屋暮らし」。
民族学校に通っていたため地域の同年代の子どもたちからいつも除け者にされた。
転機は和泉市への引越し。
ここで出会った3人の友が、白川さんを生来の「明るいイタズラ小僧」に変えた。

しかし、学校では勉強嫌いで成績はどん底。
中学時代はサッカー部に入ったが、サッカー強豪校にあって「万年補欠」だった。
あきらめが早く努力もせず、ゲームセンターに入り浸った。
その一面、勉強を除くと「何でも卒なくこなす」天分を開花させた。
高校時代にはクラブメンバーというだけで在日コリアンの国体選手にばれたこともある。

高校卒業後、バイトの延長で中華料理店に就職した。
職場でも器用さを発揮して鍋振りやスタッフのとりまとめを任されたが
先輩の反感を買って衝突し1年で辞めた。
再就職先を探すも「育ちの悪い金髪」を雇ってくれるところはどこにもなかった。

9社目に受けたのが、創業3年のエム・カンパニー。
車両台数ゼロ、社員もわずか2人という運送代行会社。面接は松木社長の自宅だった。
「生い立ちも見ためも全然関係ない。うちはやる気のある人間が欲しいんや!」
松木社長のこの言葉に感動。即採用となった白川さんの心に火が付いた。

以降の同社は躍進著しい。車両台数が増えるにつれて白川さんの業務も激増した。
あまりの忙しさに退職を申し出た。しかし、専務に説得されて残留を決意。
その後も何度か「辞めたい症候群」が噴出した。
2度目は、ハードワークと研修の辛さから。「クギ師になりたい」を辞める理由にした。
3度目は、管理職昇格というプレッシャーから。今度は「おでん屋になりたい」。
しかし、その直後、社内で会社の存続が危ぶまれるような不祥事が起こる。
「社長や専務が一番苦しいときに辞めるわけにはいかない」と留まった。
「辞めたくなる時は、逆境に遭遇したとき。いつも言い訳を考えていた自分がいた」
と省みる。

その後の白川さんの成長はめざましい。
人財研修に力を入れる同社で、社長と同じく日創研や木村塾で経営の勉強を続け、
昨年には常務取締役に昇進、次期社長として後継者に指名された。
同社の経営基盤は最強になり、今年度は「自己資本1億円」を突破する。

壇上では「30期 自己資本3億円」を掲げ、このBSビジョンを叶える戦略として
インターネットを活用した食肉販売「エムカン牧場」や
外食産業「エムカン一人焼肉」の展開などユニークなビジネスプランを発表。
合わせて「65歳までに貯金を1億円貯めて嫁と世界の好きなところを旅行します」と
自身の人生ビジョンも宣言した。

「自分の言葉に嘘はつけない。退路を絶つ覚悟で発表しました」と白川さん。
白川さんの人望だろう。満員の会場にはエム・カンパニーの社員さんを始め
取引先企業の方々や、奥さんと子どもさん、冒頭の話しに出てきた親友の姿も。
ここで宣言したビジョンがプレッシャーとなり、白川さんの行動を変え、
描いた以上に素晴らしい未来を手にするに違いない。

会場では松木社長の「社長にとって一番必要なものは?」との質問に「決断力」と即答。
「私は幹部として1を10にする自信があるが、ゼロを1にするのが経営者。
しかし、これほど難しいものはない。これからはそれを目指します」と
次期社長としての資質を見せつけた。

私も在日コリアンとして生まれ、白川さんとは比較にならないほどの極貧生活を送ったが、
いじめられとか不幸だったという思いを抱いたことがない。
転居を繰り返して、友だちをつくる暇もなければ人と比較するということがなかった。
そのお蔭かもしれない。
逆境ほど人を鍛え、強くするものはない。

私の原点は3つある。14歳で迎えた父の死、5人兄弟姉妹の長男であったということ、
そして日本というステージを与えられたということ。
その一つでも欠けたら今の私はない。
日本にはビジネに不可欠の「人・もの・カネ・情報」という経営資源が溢れている。
この国では安定志向が強く、リスクを負ってまで起業家にはなりたがらないが、
起業家になる人が少ないことを含めて、これほどビジネスチャンスに恵まれた国はない。

あれこれ理屈を並べ立てる前にやったらいい。
成功したらおカネが儲かる。失敗しても経験が儲かる。
10年後の白川さんに期待したい。

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☆いただいたアンケートより抜粋

・ 数字がいかに大切かということを教わった。「成功したらお金が儲かる。失敗しても経験が儲かる」という木村会長の指摘に自信が湧いてきました。
・ 白川さんが言われた「幹部の年収1,000万円」の定義について。「幹部は年収1,000万円にふさわしい利益を出せ」ではなく「ふさわしい利益を出す仕組みを創り出せ」。そんな発想が社員想い、仲間想いだと思いました。
・ 「勇気と信念と感謝」。今日の白川さんの話からこの言葉が浮かびました。
・ 「辞めたくなる理由はすべて逆境にぶつかっている時」。立場が上がると多くの逆境(プレッシャー・人材育成・責任)が大きくなる。素晴らしく楽しい講演でした。
・ 会社を辞めたい症候群の話しの中で「辞める言い訳を考えていた」という言葉に共感した部分がありました。人生も経営も「気付きと決断(選択)」の連続だと思う。
・ 「有言」することで、さらに「実行」を「覚悟された」と感じました。ゼロをカタチにして素晴らしい経営者になってください。
・ 要所要所に社員さんに対してメッセージを伝え、自身の想いも語っている。白川さんの人柄の良さが感じられる素敵な「我が人生を語る」でした。
・ 白川さんの人望に感心しました。数々の壁を乗り越えたところに勇気をもらいました。
・ 経営ビジョンの持ち方、理念の浸透のさせ方など経営者として大変勉強になりました。
・ 白川さんの「謙虚に上を目指す」姿が非常に良かった。私も見習います。
・ 私は社員なのでお金のことに関しては正直ピンとこなかった。そして、この考えがダメだと気付きました。
・ 「辞めたい症候群」が何度も訪れたというエピソード。自分も何度も経験があるので共感すると同時に、今こうして学び続けて築き上げてきた状況を本当に素晴らしいと思いました。私も見習います。
・ 白川さんの「ゼロを1にする」という言葉に打たれた。学びは嘘をつかない。白川さんの話しを聞いて改めて思いました。
・ 人との出会いが人生を変える。諦めずに継続することが自分の価値の気付き、前向きに生きる一歩になると思った。
・ 同じ経営幹部、創業者のビジョンや想いを継ぐものとして聞かせていただきました。日ごろから会社の方針や強みをよく知り、実際の計画を実行している率先者として周りから信頼を得ている姿が浮かびました。2022年の白川社長の新ビジョンが楽しみです。



 

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